朝ドラ『とと姉ちゃん』で、常子がKT歯磨きを作りました。
KT歯磨きは、ハッカを入れた練り歯磨きで人気を集めます。
このKT歯磨きには、実際にモデルがあるのでしょうか。
また、ドラマで1袋30銭で売られていましたが、この30銭は現在の価値でどのくらいなのでしょう。
今回は、KT歯磨きのモデルや30銭の現在の価値をわかりやすく解説します。
【とと姉ちゃん】KT歯磨きのモデルは?

『とと姉ちゃん』に登場したKT歯磨きのモデルは『OC歯磨き』です。
OC歯磨きは、常子のモデルとなった大橋鎭子さんが作った歯磨き粉でした。
ここでは、KT歯磨きのモデルであるOC歯磨きや、ドラマとの共通点と違いをわかりやすく解説します。
OC歯磨きとは?
OC歯磨きが販売されたのは1934年頃です。
この頃、大橋鎭子さんの母親は歯の治療のため病院に通っていました。
担当していた歯科医が病院を離れる際に、母親は歯磨き粉のレシピを教わります。
当時14歳だった大橋鎭子さんは、母親がもらったレシピをもとに練り歯磨きを作りました。
この歯磨き粉を使うと、母親の歯槽膿漏がよくなっていきます。
さらに大橋さんの同級生の母親も使い、大きな効果があったことで評判になりました。
同級生の母親は、歯磨き粉を売ることを提案したそうです。
大橋鎭子さんは母親と相談し、歯磨き粉を作って販売することを決意。
土地の権利を売却したり、同級生の両親から出資を受けたりして資金を集めました。
そして、完成した練り歯磨きは、チューブに詰めて販売を開始しました。
しかし想定外の問題が発生します。
しばらくするとチューブが破損してしまったのです。
そこで容器をチューブから陶器に変えました。
そして大橋鎭子さんのイニシャルを取って『OC(オーシ)歯磨き』と名付け、販売を再開します。
OC歯磨きとの共通点と違い
『とと姉ちゃん』のKT歯磨きと、実際のOC歯磨きには共通点と違いがあります。
以下に比較をまとめました。
項目 | KC歯磨き(ドラマ) | OC歯磨き(史実) |
---|---|---|
製造理由 | 母親の歯槽膿漏を治すため | 母親の歯槽膿漏を治すため |
レシピ入手経路 | 星野からレシピ入手 | 歯科医からレシピ入手 |
製造した時の年齢 | 常子が16歳の時 | 大橋鎭子さんが14歳の時 |
販売中止の理由 | チューブが破損し諦めた | 出資者がいなくなった |
共通しているのは、どちらも母親のために歯磨き粉を作った点です。
この点は、ドラマと史実で同じでした。
一方でレシピをどこから手に入れたのか、作り始めた年齢、販売をやめた理由には違いがあります。
『とと姉ちゃん』では、チューブが壊れたことで製造を諦めます。
しかし、実際はチューブから陶器に容器を変え、販売を続けていました。
OC歯磨きは売れ行きが良かったものの、最終的に出資者がいなくなり、製造を終えることになりました。
【とと姉ちゃん】KT歯磨きの30銭は現在のいくら?

KT歯磨きの30銭は、現在の価値に換算するとおよそ1200円ほどになります。
『とと姉ちゃん』では、KT歯磨きが1袋30銭で販売されていました。
30銭の現在価値を調べるために、当時の賃金をもとに計算しました。
常子がKT歯磨きを作り始めたのは、1936年ごろです。
この頃の教員の初任給は、月50円ほどでした。
そして、現代の教員の初任給は約20万円前後です。
そこから計算すると、1円は現在の4000円に値することがわかりました。
さらに、1円は100銭なので、1銭の価値を計算すると、40円程度と考えられます。
この計算により、30銭は1200円くらいの価値になることがわかりました。
ただし、物価の換算方法は賃金以外にもあります。
計算方法によって多少前後しますが、大幅に変わることはありません。
当時のほかの商品と比べて、KT歯磨きがどのくらい高価だったのか、物価をまとめました。
項目 | 値段 |
---|---|
バナナ(1本) | 5銭 |
ラーメン(1杯) | 10銭 |
白米(1升) | 30銭 |
KT歯磨きは、白米1升と同じ価格でした。
当時としては、大きな出費に感じられたでしょう。
売れ行きが良かったことからも、歯の健康に悩む人が多かったことがうかがえます。
まとめ
- KT歯磨きのモデルは、大橋鎭子さんの『OC歯磨き』
- 共通点:母親の歯槽膿漏を治すために作ったこと
- 違い:レシピ入手先、作った年齢、販売終了理由が異なる
- 30銭は現在の約1200円相当で、白米1升と同じ価格
- 当時としては高価だったと考えられる
『とと姉ちゃん』に登場したKT歯磨きには、実際にモデルとなったOC歯磨きがありました。
OC歯磨きは、常子のモデルである大橋鎭子さんが母親の歯槽膿漏を治すために作った歯磨き粉です。
ドラマと史実では、レシピを入手した経緯や作った年齢、製造をやめた理由に違いがありました。
母親のために歯磨きを作ったという点は、共通しています。
また、ドラマで、KT歯磨きの価格は1袋30銭で販売されました。
これは当時の教員の初任給を参考に換算すると、現在の約1200円に相当します。
当時は白米1升と同じ値段で、歯磨き粉はかなり高価な買い物でした。
これほど高くても売れ行きが良かったのは、歯の健康に悩む人が多かったのかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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