『マッサン』に登場する住吉酒造のモデルは、摂津酒造と考えられます。
ドラマで政春が勤めているのは、住吉酒造(すみよししゅぞう)という酒造会社です。
この住吉酒造は、実在しない架空の会社です。
しかし、大阪にあった摂津酒造(せっつしゅぞう) と多くの共通点があります。
では、摂津酒造とはどのような会社だったのでしょうか。
また、住吉酒造のシーンはどこで撮影されたのでしょう。
この記事では、
- 摂津酒造の概要
- 住吉酒造のモデルと考えられる理由
- ドラマと史実の違い
- 住吉酒造のロケ地
について、わかりやすく解説します。
マッサン住吉酒造のモデルは摂津酒造

『マッサン』に登場する住吉酒造のモデルは、摂津酒造と考えられます。
住吉酒造は、ドラマの中だけに登場する架空の会社です。
しかし、実在した摂津酒造と多くの共通点があります。
一方で、ドラマならではの違いも見られます。
そのため住吉酒造は、摂津酒造を参考にして描かれた酒造会社と考えられます。
では、摂津酒造とはどのような会社だったのでしょうか。
ここからは、摂津酒造の歴史と住吉酒造との共通点や違いを見ていきます。
摂津酒造とは?
摂津酒造は、大阪市住吉区帝塚山にあった実在の洋酒メーカーです。
摂津酒造の歴史
1906年、資産家の阿部喜兵衛さんが摂津酒造を創業しました。
1907年にアルコール製造を開始。
1911年からは、ウイスキーやぶどう酒の製造を受託します。
当時は、本場の味を再現したイミテーション洋酒のトップメーカーでした。
1916年、マッサンのモデルである竹鶴政孝さんが摂津酒造に入社します。
その後、社長の決断により、竹鶴政孝さんはスコットランドへ留学しました。
この出来事は、日本ウイスキー史における大きな転機となります。
1920年には、合成清酒『白牡丹』がヒット商品となります。
しかし、戦況や不況の影響で経営は次第に悪化していきました。
立て直しを図る中で、1964年に宝酒造と合併します。
1973年には、摂津酒造の工場は取り壊されました。
摂津酒造の技術は、現在の宝ホールディングスに受け継がれています。
摂津酒造の跡地は?
摂津酒造の跡地は、現在は公園として整備されています。
周囲は静かな住宅地です。
当時の建物は、現在は残っていません。
公園内には、記念碑が設置されています。
摂津酒造の歴史を伝える場所です。
ただし、すべてが失われたわけではありません。
取水口は、今も公園内に残っています。
この場所は、2016年に大阪市の顕彰史跡として登録されました。
- 住所:大阪府大阪市住吉区帝塚山東5丁目3
- 場所:神ノ木公園
住吉酒造と摂津酒造の共通点
摂津酒造が住吉酒造のモデルと考えられるのは、多くの共通点があるからです。
特に大きな共通点は、次の3つです。
- 大阪が拠点
- ウイスキー製造を目指す
- マッサン(竹鶴政孝さん)との関係性
大阪が拠点
摂津酒造と住吉酒造は、どちらも大阪を拠点とする酒造会社です。
さらに、地域が同じ『住吉』である点も共通しています。
ドラマで『住吉酒造』と名付けられたのは、実在の土地を意識した設定と考えられます。
また、洋酒造りを行っていた酒造会社である点も大きな共通点と言えるでしょう。
ウイスキー製造を目指す
摂津酒造と住吉酒造は、ウイスキー製造を目指していた点が共通点しています。
ドラマでは、住吉酒造の社長がウイスキー製造を計画。
マッサンをスコットランドへ留学させました。
史実でも、摂津酒造の社長がウイスキーに強い関心を持っていました。
製造を学ばせるため、竹鶴政孝さんを本場へ送り出しています。
しかし、両社とも資金繰りの問題などから、ウイスキー製造を断念しました。
マッサンとの関係性
マッサンとモデルである竹鶴政孝さんとの関係性は、最も大きな共通点です。
住吉酒造にとって、マッサンは将来を期待された若手社員でした。
新規事業を進めるため、マッサンをスコットランドへ留学させています。
史実でも、竹鶴政孝さんは摂津酒造の社長から強い期待を受けていました。
多くの従業員の中から、竹鶴政孝さんが留学に選ばれています。
ドラマでも史実でも、社長との信頼関係が非常に深かった点が共通しています。
その後、不景気の影響でウイスキー製造を断念しました。
その結果、マッサン(竹鶴政孝さん)が退社した点も一致しています。
当時は、ウイスキーが一般的でなかった時代でした。
その中で、洋酒造りに挑んだ経営者と技術者がいた点が最大の共通点です。
住吉酒造と史実の違い
住吉酒造と摂津酒造には、いくつかの違いがあります。
主な違いは、次の3点です。
- 会社の規模
- 社長の名前の受け継ぎ
- 重要な人物の描かれ方
会社の規模
住吉酒造と摂津酒造では、会社の規模が異なります。
ドラマの住吉酒造は、小さな会社として描かれていました。
工場の規模も、あまり大きくない印象です。
一方、史実の摂津酒造は、比較的大きな会社でした。
自社製造のヒット商品があり、会社は4代にわたって続いています。
名前の受け継ぎ
摂津酒造では、代々の社長が『喜兵衛』という同じ名前を名乗っていました。
三代目の社長は、婿養子として迎えられています。
それでも、社長に就任した際は『喜兵衛』を名乗りました。
この名前は、摂津酒造が合併される四代目まで受け継がれています。
重要な人物の描かれ方
摂津酒造には、岩井喜一郎さんという重要な人物がいました。
岩井喜一郎さんは、新たな蒸溜機を製造しました。
その技術は、摂津酒造の発展に大きく貢献しています。
また、竹鶴政孝さんが摂津酒造で働くきっかけを作った人物でもありました。
史実では、非常に重要な役割を果たしています。
しかし、ドラマでは岩井喜一郎さんの存在は描かれていません。
住吉酒造に他のモデル説はある?
住吉酒造が、摂津酒造以外をモデルとしている可能性は低いと考えられます。
たしかに、住吉酒造と摂津酒造にはいくつかの違いがあります。
しかし、物語の中心となる設定は共通しています。
大阪を拠点とし、ウイスキー製造を目指したものの断念した点が一致しています。
また、竹鶴政孝さんと深く関わりのある会社である点も共通しています。
これらを総合すると、摂津酒造が最も近いモデルと言えるでしょう。
マッサン住吉酒造のロケ地を調査

『マッサン』で住吉酒造のロケ地となったのは、京都にある松本酒造です。
ドラマの撮影は、実際に稼働している酒造会社で行われました。
松本酒造は、創業200年以上の歴史を持つ老舗の酒造会社です。
現在も、酒造りを続けています。
酒蔵らしい重厚な建物が特徴です。
周囲には、時期になると菜の花畑が広がります。
『マッサン』だけでなく、時代劇の撮影地としても知られています。
ロケ地となった松本酒造の情報は、公式Instagramで確認できます。
松本酒造では、商品の販売は行っています。
ただし、酒蔵見学は現在は実施されていません。
- 住所:京都府京都市伏見区横大路三栖大黒町7
- 電話番号:075-611-1238
- 営業日:平日のみ
- 営業時間:8時~11時/13時~16時30分
- 駐車場:あり
Q&A

まとめ
『マッサン』に登場する住吉酒造のモデルは、摂津酒造と考えられます。
住吉酒造は、ドラマのために設定された架空の酒造会社です。
しかし、史実の摂津酒造とは多くの共通点があります。
大阪を拠点としていた点が一致しています。
ウイスキー製造を目指したものの、資金面などの理由で断念した点も共通しています。
さらに、竹鶴政孝さんと深く関わっていた点も重なります。
これらの設定から見ても、摂津酒造が最も近いモデルと言えるでしょう。
摂津酒造の跡地は現在、公園として整備されています。
また、住吉酒造のロケ地は、京都にある松本酒造です。
実際に稼働している老舗酒造会社で撮影が行われました。
酒蔵見学はできませんが、商品の購入は可能です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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