朝ドラ『あんぱん』で登場した、たかしが描く四コマ漫画『ボオ氏(ボウ氏)』。
実はこの作品、やなせたかしさんが描いた実在の漫画がモデルです。
無口で不思議な主人公・ボオ氏(ボウ氏)。
その姿には、やなせさんの思いや時代背景が映し出されています。
しかし、ドラマと史実にはいくつかの違いもあることがわかりました。
今回は、『ボオ氏』の内容とドラマと史実の違いをわかりやすく紹介します。
あんぱんボオ氏(ボウ氏)はやなせたかしの実在漫画!

朝ドラ『あんぱん』で登場した漫画『ボオ氏(ボウ氏)』。
『ボオ氏』は、やなせたかしさんが描いた実在の四コマ漫画です。
1967年、やなせたかしさんは『週刊朝日』の懸賞漫画に応募。
描き上げた『ボオ氏』は、週刊朝日漫画賞を受賞しました。
この受賞が、やなせたかしさんにとって漫画家としての大きな転機となりました。
『ボオ氏』が受賞したことで、やなせさんは「やっと道が開けた」と語っています。
その後もシリーズとして描き続け、作品集も発行されました。
ボオ氏とは?
『ボオ氏』は、パントマイムをテーマにした四コマ漫画です。
主人公は、帽子を深くかぶり、顔が見えない不思議なキャラクター。
名前の由来は『帽子(ぼうし)』と『某氏(ボウシ)』を合わせたものです。
顔を描かなかった理由
やなせたかしさんが『ボオ氏』の顔を描かなかった理由は2つあります。
- 読者が自由に想像できるようにするため
- 無名の下積み時代の自分を投影していたため
表情を描かないことで、誰もが自分なりの『ボオ氏』を想像することができます。
この『余白』が、作品の魅力を引き立てているのだと思います。
また、当時のやなせさんは、漫画家としてまだ世に知られていませんでした。
『世間から見えない自分』を象徴する存在として、顔を描かない主人公を生み出したのです。
こうして生まれた『ボオ氏』は、無表情なのにどこか親しみを感じる存在となりました。
台詞のない四コマ漫画
『ボオ氏』では、主人公が一言も話しません。
この言葉のない世界の演出は、やなせたかしさんが大切にしていた考えを反映しています。
やなせたかしさんは『漫画の原則はパントマイムである』と考えていました。
セリフがなくても感情が伝わる、そんな独特の表現が『ボオ氏』の魅力です。
言葉がないことで、国境や文化を越えて誰にでも理解できる作品になっています。
誕生した背景
『ボオ氏』は、やなせたかしさんが『無名の自分』を重ねて生み出したキャラクターです。
きっかけは、所属していた『独立漫画派』の仲間たちが世界旅行に出かけたこと。
やなせたかしさんは、その旅に誘われませんでした。
仲間が活躍の場を広げる中、漫画家としての自分の立ち位置や未来を見つめ直すように。
その時の複雑な心境が、無口で影のあるボオ氏に投影されました。

『あんぱん』でも、たかしが仲間の旅行をきっかけに自分を見つめ直すシーンが描かれており、史実とリンクしています。


現在の入手状況
2025年現在、『ボオ氏』は中古市場でも入手困難です。
在庫見つかっても、高額で取引されるケースが多く、ファンの間で人気が高まっています。
さらに、『あんぱん』の影響で需要が急増している可能性も考えられます。
特に1976年にサンリオが発行した『無口なボオ氏』は、希少な一冊です。



『あんぱん』では、八木が九州コットンセンターで発行する展開が描かれるかもしれませんね。
ボオ氏が実在漫画とわかる理由
『あんぱん』に登場する『ボオ氏』のモデルは、やなせたかしさんの実在の漫画です。
そう言える理由は、主に3つあります。
- 名前が一致
- 懸賞漫画への応募
- 作品内容の一致
名前の一致
やなせたかしさんが描いた四コマ漫画の主人公は、『ボオ氏』。
『あんぱん』の四コマ漫画の主人公も同じ名前です。
さらに、名前の由来が「帽子(ぼうし)+某氏(ボウシ)」である点も共通しています。
懸賞漫画の作品
史実でも、やなせたかしさんは懸賞漫画に応募していました。
これは、『あんぱん』のたかしと同じ展開です。
やなせたかしさんが応募したのは『週刊朝日漫画賞』というコンクール。
募集要項には、プロ・アマ問わず応募可能と書かれていました。
この点は、ドラマと史実で完全に一致しています。
さらに、応募の前後に仲間たちが海外旅行へ出かけたことも重なります。


作品内容の一致
史実でもドラマでも、ボオ氏はパントマイムの四コマ漫画です。
- セリフは一切ない
- 帽子を深くかぶり、顔が見えないキャラクター
この特徴が、史実とドラマで完全に一致しています。
この3つの理由から、『ボオ氏』がやなせたかしさんの実在の作品であることがわかります。
あんぱんボオ氏(ボウ氏)と史実との違いは?


『あんぱん』に登場するボオ氏(ボウ氏)は、史実をもとにした実在の漫画です。
しかし、ドラマと史実には2つの大きな違いがあります。
- ボオ氏を秘密にしていた
- 小松暢さんのリアクション
ボオ氏を秘密にしてた
史実では、やなせたかしさんはボオ氏を描いていることを秘密にしていました。
懸賞漫画に応募したことも、誰にも話していなかったそうです。
一方、『あんぱん』では、たかしがのぶに背中を押されて応募しています。
やなせたかしさんが秘密にした理由には、プライドと不安がありました。
応募した『週刊朝日漫画賞』は、プロ・アマ不問で参加可能。
無名だった当時、アマチュアに負けるかもしれない恐怖があったのです。
当時は仕事も多忙でしたが、半年分24本の四コマ漫画を描き上げ応募。
それでも自信が持てず、「入賞は運がよかった」と語っていたそうです。
小松暢さんのリアクション
ドラマでは、グランプリ受賞を家族で大喜びする場面が描かれました。
しかし史実では、小松暢さんの反応は控えめでした。
やなせたかしさんは入選の連絡が来るまで、小松暢さんに知らせず。
伝えた時も「嘘かもしれないから、まだ喜ばないで」と声をかけたそうです。
そのため、小松暢さんは素直に喜ぶことができませんでした。
本当に懸賞金を受け取った時には、気持ちが冷めてしまっていたとも語っています。
それでも最後には、お祝いの言葉をかけてくれたそうです。



ドラマでは大きな喜びが描かれていたため、この史実とのギャップに驚きました。
あんぱんボオ氏(ボウ氏)のQ&A


まとめ
朝ドラ『あんぱん』に登場するボオ氏(ボウ氏)。
このキャラクターは、やなせたかしさんが描いた実在の四コマ漫画です。
ドラマでは、史実をもとにした展開が描かれています。
ただ、のぶが応募を後押しするシーンは、ドラマオリジナルです。
受賞後にのぶが喜ぶ姿の描写も、史実とは異なることがわかりました。
一方で、セリフのないパントマイム表現は史実と同じです。
無口で影のある主人公という特徴も一致しています。
史実では、この受賞をきっかけに、やなせたかしさんの運命が動き始めました。
『あんぱん』のたかしも、これから新しい道を歩んでいくのでしょうか。
漫画家としての成長が、今後どのように描かれるのか楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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