『風薫る』で、トレインドナースの給料がアメリカで30円と紹介されました。
この30円は、現在の価値でいくらになるのでしょうか。
当時のトレインドナースの給料は、病院で働く事務員と大きな差がありませんでした。
命に関わる仕事でありながら、給料面では意外と差がなかったのです。
では、なぜ専門職でありながら差がなかったのでしょうか。
この記事では、
- 『風薫る』の30円はいくらなのか
- 明治時代のトレインドナースの給料事情
について、わかりやすく解説します。
【風薫る】30円はいくら?

『風薫る』の30円は、現在の約50万円〜120万円ほどと考えられます。
現在の価値で見ると、明治時代の30円は高額だったといえます。
『風薫る』第4週の時代設定は、明治19年頃です。
そのため、明治19年前後の初任給をもとに30円の価値を計算しました。
ただし、この金額には幅があります。
明治時代と現在では、同じ1円でも価値の重みが大きく異なっていました。
また、当時は職業ごとの給料差も大きくありました。
そのため、どの職業と比べるかによって1円の価値が変わります。
こうした違いから、30円の価値にもいくつかの目安が生まれます。
ここからは、代表的な職業ごとに30円の価値を見ていきます。
小学校教諭の初任給
小学校教諭の初任給は次の通りです。
- 明治時代:約5円
- 現在:約21万円
- 1円の価値:約4万円
この計算では、30円の価値は約120万円に相当します。
大工の初任給
大工の場合は次の通りです。
- 明治時代:約12円
- 現在:約21万円
- 1円の価値:約1万7千円前後
この場合、30円は約52万円ほどです。
巡査の初任給
巡査の場合は次の通りです。
- 明治時代:約6円
- 現在(高卒):約21万円
- 1円の価値:約3万5千円前後
この計算では、30円は約100万円ほどになります。
このように、比較する職業によって30円の価値は大きく変わります。
いずれにしても、現在の価値で見ると高額だったと考えられます。
トレインドナースの給料を解説

明治時代のトレインドナースの給料は、月に約10円ほどだったとされています。
当時の女性の職業としては、比較的高い水準でした。
一方で、病院で働く事務員と比べても大きな差があるわけではありませんでした。
命に関わる現場で働く仕事でありながら、給料面ではそこまで大きな差がなかったのです。
そのため、仕事の重さに対して給料が高いとは言い切れない面もありました。
ここからは、医療関係者との給料の違いや、その理由について見ていきます。
他の医療職との比較
他の医療関係者と比べると、トレインドナースの給料は高いとはいえませんでした。
当時の医療関係者の給料は、次の通りです。
- 薬剤師:約40円
- 事務員:約8円
- 看病婦:日給10〜50銭(経験や技量による)
トレインドナースの給料は、事務員よりやや高い水準でした。
ただし、専門職の中では中間くらいの位置と考えられます。
特に薬剤師と比べると、その差は約4倍ほどあります。
トレインドナースは、突出して高給というわけではありませんでした。
給料が高くなかった理由
当時、トレインドナースの給料が高くなかった理由は、主に2つあります。
ひとつは、看護師という職業の地位がまだ確立されていなかったことです。
明治時代は、看護という仕事自体がまだ新しいものでした。
そのため、専門職としての評価は十分ではありませんでした。
実際、直美のモデルである鈴木雅さんは、家族から反対されていたといわれています。
りんのモデルである大関和さんも、世間の目を気にして悩んでいたそうです。
このように、当時は看護という職業に対する評価が低い面もありました。
もうひとつは、看病婦の多くが専門的な教育を受けていなかったことです。
看病婦の仕事は、経験や勘に頼る場面も多くありました。
その影響で、看護の仕事全体の評価が上がりにくい状況でした。
こうした背景から、看護の仕事の重要さが給料に十分反映されていませんでした。
大関和さんや鈴木雅さんは、看護の仕事を正しく評価すべきだと考えていました。
また、看病婦の処遇改善にも取り組もうとしていました。
その後、看護という仕事への理解は少しずつ広がっていきます。
それに伴い、職業としての評価も高まり、給料などの待遇も徐々に改善されていきました。
Q&A
まとめ
『風薫る』に登場する30円は、現在の約50万円〜120万円ほどの価値と考えられます。
当時のトレインドナースの給料は、月に約10円ほどでした。
女性の職業としては比較的高い水準でしたが、事務員と大きな差はありませんでした。
そのため、専門職でありながら突出して高給というわけではありませんでした。
また、看護という仕事はまだ新しく、職業としての評価も十分ではありませんでした。
看病婦の存在や教育の差もあり、給料が上がりにくい背景がありました。
こうした状況の中で、看護の仕事は少しずつ評価されるようになっていきます。
その結果、給料や待遇も徐々に改善されていきました。
『風薫る』の中で、りんと直美がどのようにこの状況を変えていくのかも楽しみです。
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